残念ながらまだ買う気が起きないApple Watch
Apple Storeで見てしまうと思わず欲しくなってしまうあたりはやはりアップルマジックなのだろうが,冷静になるとまだ買う気は起きない。
いよいよApple Watchが予約開始となり,人々のテンションが高まっている。私も先ほどApple Storeを訪れ実機を触ってみたが,iPodnanoを彷彿とさせる画面サイズからはここでメッセージを見たり,地図を見たりする気にならない。まあ天気とNaviTimeくらいか。WatchをはめたとしてもiPhoneが必要なアプリが多いので結局iPhoneを持っているわけで,やはりそちらを見るだろう。しかも唯一iPhoneを置いていきそうなところであるプールやお風呂では残念ながら防水じゃないのではずさないと行けない。
そして売り物のヘルスケア系アプリにはほとんど興味が無いのでなので今の段階では購入はそそられないのが正直なところだ。
本命機能はApple Pay
しかし,そんな私でも多いなる可能性を感じているところがある。それがApplePayへの対応だ。実はApple WatchはNFCが搭載されている。米国ではすでに利用が進んでいるApple Payは70万店舗で使えるようになっているようだが,いつどこかに忘れてしまう可能性のあるiPhoneと違い腕にはめているApple Watchは限りなく自分自身の一部だ。どこでも支払いが済んでしまうのであればはめることの便利さは確実に実感できる。私もSUICAカードを時々忘れた時は電車やコンビニで大変不便な思いをする。Apple Watchで電車に乗れて,コンビニで支払いができるようになれば絶対に購入する。日本もApple Pay対応が是非とも急務だ。
つまりApple Watchは個人ID認証端末として捉えることができる。例えばWホテルのアプリはホテルに着いたらアプリ上でチェックインすることができ,ルームキーが配信されるので,部屋の前でApple Watchを振るだけで鍵が開く仕組みだ。私の会社の入口の認証もApple Watchにできるなら今の4桁パスワードなどやめて社員全員に配って使ってみたい。
もはや匿名を許さない公共という場
最近は公園で子供に声をかけるだけで不審者扱いされる時代だ。グローバル化の流れの中でますます公共空間は誰がいるのかわからない危ない場所という認識になりつつある。
IoTの時代になり,あらゆるものにIDが搭載され通信可能になるということは,その場所に存在するIDを認識することを容易にする。パスポートや免許証,メンバーズカードのようなものをID化することでその場所にいる人が誰かはわからないが少なくとも身元は判明している人という状況を作る出すことは可能だ。今まではゲートを作り中と外を切り分けることが公共空間とそれ以外を分ける存在だったが,これからは公共空間の中でも認証された人だけが存在する空間というものを構築することができると言えるだろう。そうすれば駅にも改札口はいらなくなる。Apple WatchがID端末となれば誰もが身に付ける必要のあるデバイスになる。手首だから静脈認証などの生体認証も加えればセキュリティレベルも高まる。Apple Watchだけつけていればパスポートにも飛行機の旅券にもホテルのルームキーにもクレジットカードにもなればApple Watchだけで海外旅行に行ける可能性もあるわけだ。少なくともそういうID社会に向けたウェアラブル端末としての可能性を是非アップルは見せて欲しい。そうで無ければアップルフリーク達が自慢しあうだけの日々が続いてしまうのではないだろうか。