小室哲哉が引退発表した。個人的には86年の「My Revolution」が一番大好きだ。その後のTMN時代も最高。その後90年代以降はRaveを日本で新しいJPOPの形にと進化させた功績は誰も否定できないだろう。そんな彼の今回の引退会見では色々なことを考えさせられた。

TM NETWORK / Self Control

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誰もが引退を自分で決める時代

小室も安室も氷室も引退の決め方は人それぞれだが,ミュージシャンは死ぬまでできる人もいる仕事なので決め時は難しい。彼はここのところ引退のタイミングを悩んでいたと語っているが我が敬愛する小田和正は70歳でもまだ「君を抱いていいの?」と歌っている。しかし昨年「LIFESHIFT」で話題になったように人生100年時代になり,これまでのように普通のサラリーマンでも60歳や65歳で定年退職での引退が許されない時代になりつつある。兼業,副業も当たり前になり多くの日本人が引退の時というのは自分で決めなければ行けない。自分がいつ仕事を引退するべきなのかは今後の我々の人生の悩める大きなテーマになるのだろう。

家族の理想像という呪縛

また彼が介護の大変さについて赤裸々に告白したことも話題になっている。「家族を介護しているのに!」「家族が闘病中なのに!」というところは責めるすきを与えた時に責める人にとっては恰好の材料だ。しかし,母親と子供という一番繋がりが強いはずの家族ですら母親なんだからという家族の強要は時として母親を苦しめることになる。理想的な家族像というものが我々社会の多くの人を苦しめているのではないだろうか。夫婦も親子ももっと多様なあり方を許容できる社会こそが求められているのではないかと私は考える。これまでのように恋愛をして,結婚して,子供を育てる,その後一生全員で愛しあうという理想型としてお見合い結婚から恋愛結婚の数が半数を超えたのはたった50年くらい前だ。今後は婚姻制度によらない新しい家族の形が増えるだろう。子供の育て方も介護などのセーフティネットも多様性が求められる。自分達で理想の姿に縛られれば,それは結局自分達自身を縛ることになるのではないだろうか。

ジェラシービジネスとしての文春砲

文春砲ともてはやされた文春も今回は非難する人も多い。確かにジャーナリズムとして巨悪を糾弾する役目も果たしてはいるだろう。しかし,それも結局は「自分よりも羨ましい人生を送っている人が悪いことをしたから責めてやろう!」というジェラシーの感情を満たす役割でもあるわけだ。私がリスペクトする脳科学者の中野信子先生は「シャーデンフロイデ」という脳内物質の現象で人類の知恵でもあると科学的に説明している。つまり,同じ価値観の仲間から外れる行動したものを排除したいということでもあるのだろう。

今年は明治維新から150年。富国強兵というシンプルな戦略に基づき,我々庶民も武士のようなストイックな精神を強要されてきた。真面目に生きて,他人と同じような行動をして頑張れば社会がどんどん成長するから幸せになれるとされたのだ。一度敗戦という失敗をしているが基本的にその行動で社会は成長してきた。しかし高度経済成長が終わりバブルが弾け停滞期になり,真面目に生きることを求められるがその結果は決して幸せでは無いという状況が多数生まれ,格差も広がりつつあり,崩壊する中流のヒステリーはカルデラのマグマだまりのようにジェラシーの大きなエネルギー供給源になっている。そのためより公人や成功者であればあるほど修道院のようにストイックに生きることを庶民は求め,道を踏み外したものをさらしものとすることに「シャーデンフロイデ」としての快感を求めているのだ。文春のビジネスモデルはまさにこの快感を提供し,ソーシャルメディアの普及とともにそれを増幅装置として活用している。

渡辺美里 My Revolution

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「Selfcontrol」から「My Revolution」へ

今我々に必要なことは社会の規範のように真面目に生きて,人と同じように収入を得て,結婚して子供を育てなければいけないという「Selfcontrol」の呪縛から開放され,他人がどうであれ自分が楽しいと思える生き方を毎日行うという価値観への「My Revolution」が必要なのではないだろうか。それは150年の明治政府の洗脳から解放され,プライドの塊に支配された武士の「Selfcontrol」では無く,毎日楽しい日々を過ごした江戸庶民の生き方にヒントがあるかも知れない。日本の自殺率を下げ,恋愛をしたい時に自由に謳歌し,地域のシェアリングエコノミーのコミュニティで生活を支え合い,美味しいものを自分で育てて食べるという当たり前のことをテクノロジーの力も借りて実現するべきだろう。我々ひとりひとりの「My Revolution」できっといつかまた何事もなかったかのようにステージにあがる小室哲哉を我々は待ち続けようではないか。

連休に見たかった映画「エクスマキナ」をAmazonPrimeでやっと見ることができた。2015年のイギリス映画で人工知能をテーマにしたサスペンスものだ。検索エンジンで成功した大富豪エンジニアが開発した人工知能に対して選ばれた若きプログラマーがチューリングテストを行うというストーリー。

内容についてあまり語るとネタバレになるので,詳細は書かないがコンピュータと人間の会話が繰り返されてストーリーが進む。密室の中で交わされる会話は2001年宇宙の旅のHAL9000とボーマンを思い起こす。しかしあの時と今の最大の違いはAIが膨大なソーシャルネットワークから学習していること。人間の感情がどうしたら変化するのかをAIは知り尽くしているところ。

そしてもはや知能を持つことは当たり前で感情の中の恋愛感情は操れるかは避けられないテーマ。開発したエンジニアが「声だけだと人間と区別つかないのであえて機械的なアンドロイドを使っている」ということで女性の体を与えている。このあたりもうひとつのシンギュラリティ映画「her」では肉体を持たない女性の人工知能の葛藤が一つのテーマだったのと比較して見ると面白いだろう。

人工知能が人類の敵になるというSFの世界よりも,人工知能が人間の感情を操れるかというテーマについてはリアリティがありすぎて,すでにソーシャルメディアの炎上や感情操作は人工知能によってすでに行われているかもしれないとすら感じる。政治家を選んだり,アイドルを人気にさせるくらいのところは我々が考えているよりもずっと簡単にできそうな気がしてしまうなと感じさせてくれる映画であった。

MONDO GROSSO / ラビリンス

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最近はスマホの普及でミュージックビデオもスマホで見られることが多いのだと思うが,このラビリンスだけは久しぶりに大画面で見るべき映像作品だ。我々MTV世代は音楽と映像は切っても切れないものとして存在してきたが,久しぶりにずっと引き込まれてしまう作品だ。確かに監督は丸山健志氏で最近の乃木坂46のMVはかっこいいと思っていたらこの人なのかと納得。振り付けも映画「ラ・ラ・ランド」の人ということでさらに超納得。

ワンカットで展開される香港の鰂魚涌は九龍城のようなまさにラビリンス!

満島ひかりの浮遊感も最高。彼女が名女優であることを内外に知らしめた名作の「愛のむきだし」も最近J:COMで再編集版のドラマが放送されたみたいで改めて注目されている。

『愛のむきだし』予告編

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個人的にはVRバージョンも是非作成して欲しいと感じる没入感。4Kや8Kは必要無いという人も居るけど,このコンテンツ見ると絶対あった方がいいと感じること間違い無し。パソコンやタブレットも10インチや13インチぐらいの大きさでテレビを持たない家も増えているかも知れないが,40から50インチ程度の4Kディスプレイやテレビも5万から6万ぐらいで手に入る時代。こういう映像を見るとやはり大画面ディスプレイがあった方がいいなとあらためて感じる。ちなみに筆者は5月に43インチのフィリップスのディスプレイを6万5千円で買いましたがすでにアマゾンでは5万円台に突入。AmazonもTV出すみたいだし,どんどん安くなる。。

【公式】LINEモバイル: TVCM 〜 愛と革新。(デビュー)篇 〜

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昭和なオフコースファンの人達からすると最近のCM気になりませんか?このLINEモバイルののんが出ているCMのキリンジのエイリアンズ。1970年代のオフコースそっくりだよなー。彼らは小田和正のクリスマスの約束にも出演していたようで,小田和正のカバー聴きたかったなあ。

桐谷美玲、ひと目ぼれの「キュン」とする瞬間を表現 「コンタクトのアイシティ」新CM「ひと目ぼれ」篇

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そうしたところでさらにこのアイシティのCMもこれまた1970年代オフコース!LINEモバイルも雑踏の中ののんのCMあるけど,このシンクロはどういうことなんですかね??

1970年代オフコース聴いてみたい人は是非このSELECTION1973-78がお薦め。1980年代に入るとロックぽくなってウエストコーストサウンドぽさがでてきてTOTOとか意識した感じになりますがその前の頃のオフコースの世界を味わえます。

オフコースのCMソング

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そして実はこの頃のオフコースは食べて行くためにもCMもたくさん手がけていたのです。貴重な音源をYouTubeで見つけました。50代以上の人には聞いたことある人も多いでしょう。私は昔ラジオで何曲か聴いたことあるのですが,なかでもコーセーミニバーグはアルバムに入れて欲しいくらい名曲です!

オフコース「ヒーロー」

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最後にまたまた貴重な音源をYouTubeで見つけました。JUNCTIONに収録されたいたHEROのライブ音源!!これはオフコースファンにはたまりません!さあ貴方も1970年代オフコースの虜になって下さい!

ソーシャルメディア時代に向けて日本発のオリジナルサービスだった関心空間

関心空間のサービスが2016年の10末で終了した。2001年にスタートした時はまだ世の中にソーシャルメディアという言葉も無く,CGMやSNSもブログも無かった。当時はコミュニティサービスという言い方だった。

関心空間は前田邦宏とバスケこと鈴木陽介,上坂江平という異なる3人の強い個性が生み出した間違い無く世界初のオリジナルソーシャルメディアだった。商品やサービスや様々なキーワードをエントリーするとそのキーワードにコメントをつけられたり,つながりをつけられたり,その人がエントリーしたキーワードを見ているとその人がどんなライフスタイルなのかこだわりがあるのかが一目でわかる(素晴らしいデータなのでこれを活用した出会い系サービスまで提案したことがある)。コミュニティと言えば最大なのは2ch。当時こんなネットサービスはまだどこにも無かったのだ。

2003年当時の関心空間

Web2.0とともにマネタイズを目指した関心空間

そんな関心空間は友人であり仕事仲間であった前田氏から「いいとものテレフォンショッキングのように色々なつながりで次々と情報に接することができる」というコンセプト段階から相談にのり,サービスが立ち上がった後にユニークIDという前身の会社の取締役になるところから私の関わりはスタートした。Appleで言えばマイク・マークラみたいな立ち位置だったのだろう。私の役割はビジネス化だった。

以下の図は私が当時書いた一枚の絵だ。これがそのまま最初の事業計画書の最初のページになった。当時のポータルサイトのビジネスはアクセスを稼いでPV量を広告価値に転換するというものだったが,関心空間の目指したものは売りたい人と買いたい人のためになる良質なコンテンツを提供するという今で言えばコンテンツマーケティングのコンテンツフィードのポジションだ。

2005年当時の事業コンセプトチャート

そしてちょうどWeb2.0のウェーブが来た。SNSやBlogも次々と登場し,我々も一気に成長できるチャンスが到来したと考え,会社名も関心空間に変更し,VCから資金調達を行い勝負に出た。

コンテンツの価値化への挑戦

以下の図は当時使っていた関心空間のコンテンツを分析したチャートだ。関心空間には様々なコンテンツがあるだけでなく,それぞれがつながりを持っており,しかもそのつながりに各自が名前をつけていた。我々はこのつながりというコンテクストの価値はとても高いと考え,これを分析するという仕事も受注した。現在D4DRがソーシャルメディア分析を行っている原点はこうしたコンテンツの分析だ。

しかし,最大の課題はマネタイズ。こうした分析の仕事を当時たくさんとるのは難しい。まだDMPも無い当時我々のコンテンツはAdSenseやアフリエイト広告に依存した。実際Amazonや楽天からのアフリエイト収入は増加していた。しかし,個人の趣味のサイトとしては大成功でも,資金調達をしたスタートアップ企業にとっては脆弱な収益基盤だった。様々な広告商品を企画し,そこそこの販売はできていたが,mixiなどが急激に成長し,Web2.0のビジョンとは真逆のマスメディアとしての広告ビジネスが全盛になる中でロングテールなアフリエイトをかき集めたビジネスモデルの弱点を克服することはできなかった。会社としては関心空間の斬新さを見て舞い込んで来る受託の開発案件の売上の方がどんどん増えるという状況だった。

早すぎたと言えばそれまでだが,同じようにコミュニティサイトだったアットコスメはしっかり成功を収めた。600万PVまで行きながら収益モデルを作れなかった事実はやはり経営に関わっていた一人としては残念ながらマネタイズに失敗したと認めざるおえない。

最後の関心空間

ありがとう愛された関心空間

しかし,当時からインターネット業界に関わっていた多くの人に関心空間は愛された。それだけサービスとしては魅力的だったのだ。αブロガーになった人達も多くが使ってくれていた。今のfacebookやTwitterですら足りていないものを持っていた。

個人的には学ぶことも多く,大企業のコンサルティングだけでは得られない貴重な体験をたくさんした。しかし,この失敗を活かし,本当の意味での自分の興味関心からつながりを作り,ビジネスにしていくサービスへの挑戦は忘れていない。現在関わっているサービスも多くがコミュニティが鍵だ。いつか関心空間への恩返しをするためにもコミュニティをビジネスにする挑戦は続けるのが私のひとつのミッションでもある。

ありがとう関心空間。ありがとう関心おじさん。そして一緒に頑張ったたくさんの仲間達。

日経MJ連載コラム奔流eビジネス。今回のテーマは充電課金インフラ「espot(エスポット)」。都市部であれば電波が入らないで困るところはほとんど無くなりつつあるが,一番困るのは電気。スマホもパソコンも電気が無くなるとただの重たいおもりになってしまうが,スマホは一日も持たないし,パソコンも大事な時に限って残りバッテリーが微妙になるものだ。そんな電気を街中でしっかり課金することでしっかり利用できるようにしようとするサービスの実証サービスが始まった。

このサービスはまだガラケー全盛時代の2005年に私自身も企画立案に参加し,当時電気自動車向け充電スタンドサービスを企画していた日本ユニシスと一緒に東京電力に提案したサービスである。その後震災もあり,10年の時間が流れたが,サービス化に向けてこつこつと努力を続けた東京電力関係者の方々の熱意がようやくこうしてサービスとして花開いたと言える。インフラサービスというのはやはり簡単なことでは無いが,世の中にとって求められているものを形にするために着実に頑張るユニバーサルサービスビジネスの人々の頑張りにあらためて敬意を表したい。

現在はQRコードやFelicaの専用プリペイドカードで課金する。本番サービスに向けて使いやすさについては改良がどんどん進んでいくと思うが是非本番サービス実現に向けても期待したい。

ノマドワーカーな人々やポケモンGOで電池がすぐになくなるような方々には是非一度使ってみて欲しい!

元経済産業省のエリート官僚伊藤さんと元トヨタの根津さんが設立したことで話題のパーソナルモビリティで話題の「rimOnO」の実機がついにできた!ということで早速触りに行ってきました!
オフィスはまさにガレージ!という感じです。

確かにこのふわふわな表面はソファみたいで最高です。思わず触りたくなる感じ。ちょっとくらいぶつけても全然平気な感じがしてしまいます。ぺりぺりなやつくっつけてTEDのぬいぐるみとか車体中に貼り付けて走りたい感じです。

後ろもかわいいですね。中は二人乗りですが,まだ二人乗りだと規制がいろいろあるそうです。

運転席もポップな感じ。スピーカーはUSBで差し込んでいて,今後は扇風機などのアタッチメントを差し替えられるようにするとのこと。

サスペンションまわりはちゃんと車という感じです!

これからの電気自動車の時代は本当に今までの車の常識を越えたものがたくさんでてきそうです。rimOnOも早く量産してもらって街中で見たいですねえ。

日経MJ連載奔流eビジネス今回のテーマか「大企業のオープンイノベーションの新しい方法論としてのクラウドファンディング」。
スタートアップのプロトタイプ開発や新商品の先行発売的なマーケティングとしての利用としては確実に普及したクラウドファンディングだが,今回は大企業のオープンイノベーションとしての活用の焦点をあてた。

とりあげた事例が東芝とスタッフ社がコラボレーションして開発したアルコール検知器ガジェット。普通では商品化されなかったであろうと言われている。

SONYもmakuakeで成功したQrioに続いてFESWatchなどをオープンイノベーション手法で開発している。

日本のものつくりからまたイノベーションを産み出していくための方法論としてのクラウドファンディングの活用に注目していきたい。

すでにGalaxys7edgeは入手したが,まだGearVRは7月にならないと手元に届かない状況だが,体感できるスポットが丸の内KITTEにできたとサムソンの人に教えてもらったので体験してきた。

場所はKITTEのど真ん中でなかなか広いスペースがとれる場所だ。天井も高いこの場所の選択はなかなかいいチョイスだろう。

まずはVRサーフィン体験。GearVRをつけるとまずは海に向かう車の中から始まる。車の揺れも再現しており,後部座席のやつがGALAXYnoteでなにやらメモをとっているところも振り返りながら確認できる。なかなか芸が細かい。さて,いよいよ海でサーフィンだ。場所はタヒチらしい。いやあ本当VRの旅行はまじ楽しい。足下の揺れは波と連動している感じはしないのでそこはいまいちだが,何よりあのサーフィンの波の中にくぐるという素人が日本の海ではまず体験できない状況を体験できるのは本当VR!という感じ。

そしていよいよ本命のジェットコースターだ。テーマパークにある座席が揺れるタイプなので迫力満点だ。ジェットコースターは実写にCGが合成されている感じ。高いところに登っていく時のドキドキは現実に近いものがある。隣の席には知らない外人の女性だが,これがもし知っている人だと本当に現実と感じてしまうのかも知れない。自分が経験したことのある体験の追体験というものをしてみたくなった瞬間だ。さて,肝心の落下後であるが,やはり少し気持ち悪い酔う感じがある。まだまだこのあたりは改善の余地があるところ。あとやはりジェットコースターだと風があればかなりリアルになったかなと。以前にOculusのCGのジェットコースターを体験したが,ジェットコースターはやはりCGであり得ないところを疾走する方が楽しいかなと感じた。

こちらが5万円ぐらいで発売される予定の360度カメラ。リコーのTHETAの対抗版だ。電池で動きリアルタイムで360度動画配信できる。GearVRと組み合わせると色々楽しいことができそうだ!

最後はサムソンがオリンピックの公式スポンサーであるため,北京オリンピックで使われた本物の聖火リレートーチを握らせてもらった図。

今回の体験でGearVRではジェットコースターのような凄い体験でなくて普通の360度VRでも十分楽しめることをあらためて実感した。むしろジェットコースターのような動きが激しいものは酔ってしまうところを改良しないとなと感じた。イベントは6/8までやっているようなので是非体験してみたい方は行ってみるといいだろう。運がいいとGALAXYs7egdeも当たるかも。最近GALAXYの宣伝マンみたいになっているなあ。

2012年にGALAXYnote2を購入して以来Android端末の更新のタイミングをはかり続けていたが,GALAXYnoteは3以降docomoは日本での発売を見送り。期待されたGALAXYnoteEdgeも決めてにかける中,買い換えのタイミングを逃してかなりぼろぼろになったnote2を使い続けていた。そんな中,飛び込んできたのが,米国でGALAXYs7の予約者全員にGearVRを無償で配るキャンペーンのニュース!

これはと思いながら各方面から情報を収集するとどうも日本でも行われるという確信を得たのと,開発中のAndroid用アプリが今のnote2のVer4.3は対象外なことが確定し,ついに買い換えを決断し5/11の予約開始と同時にオンラインで予約購入した。

そしてついに5/20に商品をゲット。その後使い続けての感想としてまずは電池容量の大きさは嬉しい。3100mAhはiPhone6sの1715mAhの1.8倍。iPhoneはどうしても予備バッテリーを持ち歩かないと一日使う自信は無いが,GALAXYs7edgeは一日くらいならなんとか行けそうという感じだ。
次に嬉しいのが防水,防塵。iPhone6sはかなり防水は強化されているようだが,やはり実際に防水を規格で歌ってくれている安心感はとても大きい。雨の中でも使えるし,万が一水の中に落としてもまったく心配無いのは嬉しい。Androidならではの日本仕様も安定のうれしさ。有機ELのディスプレイで見るフルセグのテレビも美しいし,nanacoもSUICAも使える。

しかし,何よりも一番感動したのは写真だ。以下の写真はGALAXYs7edgeの写真をiPhone6sで撮影したものだが,この写真でも綺麗さは十分に伝わるだろう(有機ELの画面の綺麗さもあるが)。このような暗いところでの撮影は完全にiPhone6sを越えている。画素数で戦っても結局はiPhoneの写真のアルゴリズムの美しさはAndroidを長い間突き放していた。しかし,Android勢も画素数から質の戦いに転換している。ホームボタン二度押しで一瞬にしてカメラを起動する速さやオートフォーカスの速さもやばい。

以下がほぼ同じ場所でのiPhone6sの写真。

こちらがさきほどのGALAXYs7edgeの写真。

購入してからちょうど10日間使ってみたが,これまでiPhone6sを使う時間よりもGALAXYs7edgeを使う時間の方が長い状況だ。GALAXYnote2の頃はまったく負ける感じのしなかったiPhoneの優位性は確実に喪失している。

実際日常的なアプリはほとんど両方使える。音楽も写真もAmazonとGoogleのサービスあればAppleのサービスに依存することはほとんど無くなった。Ingressは当然ながらAndroidの方が快適だ。Galaxy側で唯一の不満は指紋認証の精度が悪いこと。ミスることが多い。

次世代のiPhone7はデュアルカメラなどが噂されているが以前のコラムで書いた通りAppleは本気で今のスマホの性能争いとは違う次元の戦いのステージを考えないと厳しい状況だろう。それを実感させてくれるGALAXYs7edgeの性能だった。

日経MJ連載コラム奔流eビジネス。今回のテーマは自動販売機。ロボットやO2Oが注目される中でメーカーのデジタルマーケティングの拠点としての自動販売機の役割が再び注目されていることを取り上げた。
紙面の都合で事例などを詳細に紹介できていないのでここで捕捉したい。

米国のマクドナルドがロボット導入と言っているものはようするにキッチンと連動している自動販売機だ。サイネージに人工知能搭載の店員のキャラクターがでてくるようなものもすぐに登場するだろう。

今回取り上げている日本コカコーラのCokeOnのリリースだ。

ダイドーは自販機でポイントシステムを稼働させている。Tポイントや楽天ポイント,dポイント連携なども出てくるだろう。

そしてあまりにインパクトのある飲料売らない伊藤園の自販機。担当者がイングレス好きなだけかもしれないが,わざわざ行きたくなる自販機という考え方は新しいヒントが色々あると言えるだろう。

日本以外で売れなくなったiPhone

Appleが先日発表した決算が13年ぶりの減収減益となり話題になっている。稼ぎ頭のiPhoneの売上が日本だけは伸びているが中国で26%減と大幅に落ち込んだのを始め,米国でも10%減で,iPhoneだけでなくiPadもMacも落ちているというここ最近ではかなり厳しい状況だ。

iPhoneはデバイスとしてはジョブズの死去とともに発表されたiPhone4sあたりでほぼ完成系という感じであり,その後は画面の大型化,カメラの高性能化やTouchID,NFC機能の搭載などマイナーチェンジを繰り返している感は否めない。ずっとMacを使い続けて来た私としてもスピンドラーやアメリオの時代の冬の時代の製品を知っているだけに心配な兆候だ。

とにかく数を売り続けなければいけない製造業のモデル

ご存じの通り,Appleが世界一の時価総額をつけたのは高い利益率をほこるiPhoneのハードウェア販売の成功が理由であることは間違いない。なのでハードウェアの売上が落ち込めば当然のように業績は悪くなる。同じく時代の寵児とされたカメラ機器ベンチャーのGoProは他のカメラメーカーが似たようなハードウェアを出して来たため,あっというまに売上が落ち込んでいる。

売り続けなければ行けない製造業モデルは成熟化した先進国ではそもそも厳しいモデルだ。落ち込んだと言っても相当な数のiPhoneを売り続けている。日本の携帯電話メーカーが束になってもかなわない数だ。それでも成長し続けなければいけないところが製造業の厳しいモデルだ。新興国があると言っても低コストな製品で戦わなければいけないし,地球上ではいよいよアフリカ大陸が成熟するまでの寿命のモデルだ。こういう時代の製造業は最近新しいタイプのヘアードライヤーで挑戦しているダイソンのように常にイノベーションを起こし続けなければいけない。AppleもIBMのPCに対するMacでイノベーションを起こしたがその後停滞,ジョブズ復帰後にiPod,iPhoneなどの連続したイノベーションが今のAppleを築いたが,製造業のモデルとしてはまた停滞期を迎えている。

ハードを売る補助のまま来てしまったiTunesというプラットフォーム

iPodが登場した時,ウォークマンに勝利した理由のひとつとしてあげられたのが音楽プラットフォームiTunesの存在である。確かに当時は幅広い音楽レーベルを集め一曲99セントで販売するというモデルとの組み合わせは新しい時代の製造業のビジネスモデルを見せてくれた。しかし,あれからもう15年。相変わらずiTunesはハードウェアの販売を助けるための存在を越えてない。利用者にとって自分に心地よい体験を与えてくれるアプリケーションの方がハードウェアよりも価値が高くなっている。

最近話題になっている以下の記事にもあるように,Appleが提供するAppleMusicは頭を抱えるような問題をはらんでいる。私の利用しているiTunesMatchも色々厳しいサービスだが,いまやiTunes全体何かをする時にどうしてよいかわからないアプリケーションだ。かつてUI/UXの神様の会社のように言われて来たAppleのサービスを使って使いやすいと思う人が今どれくらいいるだろうか。次々と機能を追加してきたiTunesはもはやマイクロソフトの悪口を言えないくらいひどいインターフェイスだと言うしかない。最近の若者がGoogleやAmazonのサービスの方がはるかに使いやすいと感じていても不思議では無い。実際iPhoneを使っている人達でAppleが提供しているアプリをよりはほとんどの人が他社のアプリを利用している時間の方が長いだろう。iPhoneの上で価値を感じているのはLINEやfacebookやゲーム,Instaなどの写真アプリということだ。iPhoneを使っていてAppleを感じることはどんどん減っている。写真撮影の性能がかろうじて優位性を保っているがかつてハードからOS,アプリケーションまで一体で設計された美しさという世界も無くなりつつあるのだろうか。比較対象がもっとひどいWindowsやAndroidだから助かっていただけなのかも知れない。

次の成長シナリオは?

今Appleは膨大な世界中の顧客達に再び驚きを与えるのか,素晴らしい価値を与えるのか次のシナリオを示す分水嶺にいると言える。
決算ではサービス部門は20%の伸びを示して60億ドルと全体の売上の10%を越えている。まだまだ伸びる領域だ。顧客価値を活かして販売に依存する製造業モデルから顧客の可処分所得の中からAppleへの支払いシェアを増やすサービス業モデルへのシフトが戦略的なシナリオとしては望ましいと個人的には考える。

ここでは今後のAppleの成長シナリオを4つほど妄想して考えてみたい。

1)VR/ARで新しいデバイスを出し,iTunesでソフトを売る

このまま今の延長線で生き長らえるならばデバイスが重要になるVR/AR領域でAppleらしい画期的な商品を出すしか無い。iTunesもアプリのカテゴリーを増やすだけなのでそのまま行ける。GoogleもfacebookもMicrosoftもすでに手がけているがAppleは2018年ぐらいに発表と噂されており出遅れ感が心配だ。

2)ロボットか車を売る

あくまで製造業としてさらなる新世界でイノベーションを起こすなら名前的にもぴったりなiRobot社をあたりを買収するか電気自動車会社を買収してiCar出すかあたりだろう。世界中にまた売りまくるのだ。

3)ApplePayからの金融ビジネス

サービス業への転換のひとつのシナリオが金融業だ。小売りの世界はAmazonががっちり支配しているが,FinTechはまだこれからの戦場だ。日本ではこれからだがApplePayはまだまだ色々な可能性があるし,クレジットカード会社を買収するくらいのことがあってもよいかもだ。siriがカード会社のサービスセンターになって色々チケット取ってくれると嬉しい。決済だけでなく,保険や証券などもまだまだ再設計すると面白いかもしれない。

4)iTunesを全面刷新した新しいサービスプラットフォームを構築する

個人的に一番望むのはiTunesというiPodのためのプラットフォームを一度捨てて,iLifeというソフトウェア群につけた名前を冠した本当のサービスプラットフォームを構築して欲しい。これからサービスを始める世の中の多くのビジネスが登録できる本当の意味でのクールなマッチングプラットフォームに是非挑戦して欲しい。iLifeの上で地球上の誰もが簡単にビジネスを始めることができるような世界。シェアリングエコノミーの世界観も是非実現して欲しい。

Appleは新しいオフィスを建設中だ。巨大なUFOのようなこのオフィスを巨大な墓場にしないためになんとか頑張って欲しいのが1991年からのAppleユーザーとしての願いだ。

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