連休に見たかった映画「エクスマキナ」をAmazonPrimeでやっと見ることができた。2015年のイギリス映画で人工知能をテーマにしたサスペンスものだ。検索エンジンで成功した大富豪エンジニアが開発した人工知能に対して選ばれた若きプログラマーがチューリングテストを行うというストーリー。

内容についてあまり語るとネタバレになるので,詳細は書かないがコンピュータと人間の会話が繰り返されてストーリーが進む。密室の中で交わされる会話は2001年宇宙の旅のHAL9000とボーマンを思い起こす。しかしあの時と今の最大の違いはAIが膨大なソーシャルネットワークから学習していること。人間の感情がどうしたら変化するのかをAIは知り尽くしているところ。

そしてもはや知能を持つことは当たり前で感情の中の恋愛感情は操れるかは避けられないテーマ。開発したエンジニアが「声だけだと人間と区別つかないのであえて機械的なアンドロイドを使っている」ということで女性の体を与えている。このあたりもうひとつのシンギュラリティ映画「her」では肉体を持たない女性の人工知能の葛藤が一つのテーマだったのと比較して見ると面白いだろう。

人工知能が人類の敵になるというSFの世界よりも,人工知能が人間の感情を操れるかというテーマについてはリアリティがありすぎて,すでにソーシャルメディアの炎上や感情操作は人工知能によってすでに行われているかもしれないとすら感じる。政治家を選んだり,アイドルを人気にさせるくらいのところは我々が考えているよりもずっと簡単にできそうな気がしてしまうなと感じさせてくれる映画であった。

*REVOLVER dino network 投稿 | 編集